怒って退席 仏出身の産業界代表が英語

で演説


「フランス人ならフランス語を使うべきだ」――。24日までブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)首脳会議の席上、フランス出身の産業界代表が英語で演説したため、同席したシラク仏大統領が怒って退席するハプニングが起きた。
「事件」が発生したのは23日夕、EU首脳と労使代表らの経済会合の席上。フランス人のセリエール欧州産業連盟会長が、行き過ぎた保護主義の弊害を指摘する演説の途中で、フランス語から英語に切り替えた。
セリエール会長は「我々は33カ国の産業界を代表しており、ビジネス言語の英語を使う」と断ったが、シラク大統領はドストブラジ外相、ブルトン経済相を伴って会場を後にした。
シラク大統領は24日の記者会見で「フランス人がEUの場で英語を話したので強い衝撃を受けた。聞きたくなかった」と胸中を説明し、「英語文化の席巻」から世界を守る意味でもフランス語は重要だと訴えた。
毎日新聞) - 3月25日


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フランス人はフランス語を大切にし、そのプライドの高さから絶対に英語を話さないとよく言われる。でも本当は単に英語が話せないだけ、という話も聞く。どちらが本当かわからないが、某予備校のCMにもあるように、「フランス人は英語を話さない」ということだけは真実のようだ。(もちろんカルロス・ゴーンのような国際ビジネスマンは例外。彼のお母さんはフランス人でパリで高等教育を受けている)
つまり、「英語を話すフランス人」の存在はよほど衝撃的なことなのだろう。


日本でも小学校で英語を教えることについての議論がされており、その中に「母国語である日本語をもっと大切にすべき」という意見があるが、母国語を大切にすることと、国際的共通言語を道具として使いこなせることは別。まして世界の舞台で活躍する人にとって英語は必須能力のはず。母国語に固執することはもはや鎖国と同じなのだ。
たとえそこに歴史的意識、敵対意識があろうとも、世の中がそういう流れになっている以上、フランスもその流れに乗るべきであろう。