キング・アーサー


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欧米では「英雄の原点」と語り継がれながら、その実体にはさまざまな説があるアーサー王の伝説を、ヒットメイカーのジェリー・ブラッカイマーが壮大なアクション・ロマンとして製作。西暦415年、ローマ帝国支配下にあったブリテン(現在のイギリス)で、ローマ軍指揮官アーサーとその臣下である円卓の騎士たちが、ローマに帰るための最後の使命として貴族一家を救いに行く。しかし、独立を求めるブリテン人や、侵略者サクソン人との戦いは混迷を極めることに…。
監督のアントワン・フークワが『七人の侍』にオマージュを捧げたと言うように、戦闘シーンは黒澤映画を彷彿とさせ、その荘厳な迫力が見もの。凍った湖の上でのバトルは、息をのむ緊迫感だ。アーサーと、彼をブリテンに引き留めるヒロイン・グウィネヴィア、そして円卓の騎士のひとりランスロットの三角愛は、ブラッカイマー作品にしては意外なほど繊細に展開。むしろ壮絶な決意を強いられる各騎士の運命がドラマチックだろう。映画全体に風格が漂い、各シーンは見ごたえがあるだけに、アーサー役クライヴ・オーウェンの乏しいカリスマ性や、クライマックスの冗長な戦闘が残念。(斉藤博昭)


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欧米人にとってアーサー王とはヒーローであり、様々なファンタジーのベースともなるアーサー王伝説をもとにした映画。ウィキペディアWikipedia)によれば実際には存在しないが全く存在しなかったというわけでもないという伝説の王だ。アーサー王 - Wikipedia
それだけに全体として薄っぺらになってしまい、いかにもアメリカ的な映画になってしまったのが残念。
見方によっては『ロード・オブ・ザ・リング』の二番煎じとも思えてしまうような出来上がりになってしまった。(本当はアーサー王伝説の方が元ネタなのに!)
主役クライヴ・オーウェンは確かに知的で洗練された印象があるものの、上記の評にもあるようにギラギラしたカリスマ性に欠けてしまい、単なる「いい人」になってしまった。
また、共に戦う親友のランスロットと顔が良く似ているので日本人には区別がつきにくい部分もある。
撮影の舞台としたのはアイルランド。巨大な城壁のセットを築き、CGをうまくつかうことによって、暗く寒くうっそうとした古代のブリテンを見事に表現している。
ヒロイン・グウィネヴィアを演じるキーラ・ナイトレイの美しさと強さが良くも悪くも主役を食ってしまった。特に彼女の美しいブリティッシュ・アクセントは聞きどころ。



(2004年/アメリカ)
原題:KING ARTHUR
監督:アントワーン・フークア
出演:クライヴ・オーウェンジョエル・エドガートン/ケン・スコット/ショーン・ギルダーキーラ・ナイトレイヨアン・グリフィズステラン・スカルスガルドスティーヴン・ディレイン