日本よ、閉鎖社会からすぐに脱却せよ


日本社会の「差別」指摘 国連人権委報告


国連人権委員会のディエヌ特別報告者(セネガル)は七日、国連総会第三委員会(人権)で差別問題に関する報告を行い、日本についても在日韓国、朝鮮人への差別や同和問題が存在すると指摘した。
この報告に中国代表は「人種差別は日本社会にあり、特定の政治家、悪名高い東京都知事らの人種差別主義的な発言がある」と日本批判を展開した。さらに韓国代表も日本社会に残る「差別への懸念」を表明、北朝鮮の代表も日本を批判した。
ディエヌ報告者は七月の訪日調査を踏まえ、在日韓国、朝鮮人や中国人のほか、アジア、中東、アフリカからの移住者も「差別の対象になっている」と述べ、人種、外国人差別を禁止する法整備や教育を日本政府に求めた。さらに「外国人差別的な東京都知事の発言に日本政府がどういう立場を取っているのか説明を求めたい」と中国の主張に全面的に沿った見解を示した。
 こうした日本批判に対し、高瀬寧・国連代表部公使は「何らかの形の差別が存在しない国はほとんどないと考える」と述べ、教育分野で差別解消に向けた取り組みを行っていることを強調した。


産経新聞) - 11月9日


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日本の一部の学校では年1回程度、いわゆる「同和問題」についての講義がある。私もかつて在籍していた職業専門校で(部落の)同和問題についての授業を受けた記憶がある。内容までははっきり覚えていないが、未だに生まれや出身で差別される人がいるのかと驚いたことを記憶している。それに自分自身も(種類は異なるが)どちらかと言えば差別される側も人間だ。そして同級生や先輩・後輩にもひどい差別を受けた人たちがいる。


日本は純血志向が強いのか、人種が違う・国籍が違うというだけで差別される。韓国・朝鮮・中国などの人々は見た目が日本人とよく似ていて、一見して出身がわからないことが多い。だから日本人は自分の身の回りが全て日本人であると思っている。目や髪や肌の色が明らかに違う人たちには気を使って言わないことでも、見た目が似ている=日本人だという思い込みで言ってはならないことを言うこともあるかもしれない。でもひとたび自分の生まれを公言すればきっと何らかの差別にあう可能性もあるだろう。そういう人たちがどうどうと自分の国に誇りを持って生きていけるような社会に、早く日本もならなくてはならない。


東京都知事にはどんな意図があってか知らないが、誤解されても仕方がないような発言が多いように思うのは私だけだろうか。
また「何らかの形の差別が存在しない国はほとんどないと考える」という公使の表現、これは妥当か。事実としてそれは成立するだろう。しかしだから差別は許されるんだ、という論理につながりはかねない。


「差別」というのは恐らく大人、特に指導者と呼ばれる人たちによって作られる。いくら教育分野で差別解消に力を入れても、その子供の親の世代、更にその親の世代、そして国を動かしている人々が変わらなければ効果がないはずだ。
日本が出来るだけ早く、この閉鎖的な「ムラ」的社会から脱却しなければ、国際社会から取り残されるのみである。