頭の中の地図


文法を使って考える時と、文章や単語を理解する時、アクセント(音韻)を聞き分ける時は、それぞれ脳の異なる部分が働くことを東京大学酒井邦嘉助教授(言語脳科学)が突き止め、脳の「言語地図」を作った。
脳で言語をつかさどる領域は「言語野」と呼ばれ、ふつう左脳の大脳皮質にあるが、どの部分がどのように働くかは、よくわかっていなかった。酒井助教授らは、日本人の成人延べ約70人に対し、文法知識や文章のつながり、単語やアクセントの正否などを問う問題を出し、脳のどの部位が活発になるかを機能的磁気共鳴画像(fMRI)装置などを用いて調べた。
その結果、例えば文法を考える時は前頭葉の下部、アクセントの聞き取りでは側頭葉上部が活発に働き、地図にすると、文法・文章・単語・アクセントの四つの中枢部分はほとんど重ならないこともわかった。


(読売新聞) - 11月4日


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日夜、英語と取っ組み合っている私にはとっても興味深い記事です。


もし活性化されていない部分を人為的に活性化させたら、苦手な分野が得意になるだろうか。
言語障害で言葉をうまく話すことができない人は、書き言葉にも多くの文法的間違いが見られるという話を聞いたことがある。(言語障害を持つ全ての人がそうであるわけではないし、もちろんそのような人たちを馬鹿にして言っているわけではありません。)
例えば日本人は文法力も語彙もあるのに会話力やリスニング力がないと言われる。逆にライティングが得意な人は会話力もある。
言語能力ってそれぞれ連携して刺激しあってるんだと思うんだよね。だからそれぞれの部位だけが活性化されてもネットワークが出来ていなかったらやっぱり正しく動作しないんだと思う。
(ちなみに正しく動作することをup and runningといいます^^)
逆に弱い部分を集中的に鍛え、かつ総合的な練習をしたら驚くほど能力アップするかもしれない。
脳ってものすごい力を持っているみたいだ。