東証、全銘柄の取引停止…システム障害


システムに障害が発生し、株価が表示されなくなった東証内のボード 東京証券取引所で1日、株式売買の注文を取り次ぐコンピューター・システムに障害が発生し、全銘柄で取引が一時停止した。
東証では、10月にシステムの能力を拡張した際のプログラム操作にミスがあり、原因となった可能性があるとしている。
東証の売買の仕組みは、証券会社が端末コンピューターで売買注文を入力すると、コンピューターシステムを通じて東証に注文が送られ、売買が成立するようになっている。東証によると、システムはハードもソフトも富士通製という。


(読売新聞) - 11月1日


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こんな大きなシステムは見たことも触ったこともないけれど、エンジニアとしてこういうニュースにはドキっとさせられる。
日付が変わる・月が変わる・年が明けるときというのは思わぬ障害が起きやすいので、ITエンジニアにとっては注意日なのである。今回のトラブルが日付に関係するものかどうかわからないが、10月にシステムを拡張したとなるとその可能性も少なくはないだろう。


システムの不具合と一口に言っても、明らかなバグ(ミス)とバグとも言い切れないものがある。後者の場合は発注者と開発者とのコミュニケーション不足だったり、使用者の操作ミスだったりすることがある。操作ミスが起きないように作るべきではあるが、それでも使う人はマニュアルを無視する。
そんなふうに「システムの不具合」にはいろいろな要因がからんでいるのだ。
今回の場合更に悪かったのは予備システムも稼動しなかったこと。こういう大きなシステムでは当然テストも大規模に行われるはずだが、チェック体制と危機管理に不備があったといわざるを得ない。
プログラムといえども人間が作るものだから間違いは起こりえる。それをどうカバーするかが今後の課題であろう。(既にやっておくべきだが)


ハード・ソフトとも富士通製とあるが、恐らく実際には下請け・孫受け等の人たちが開発したものと思う。下請けになればなるほど報酬も納期も厳しいものになる。ITバブルで社長さんたちはもてはやされているけれど、現場で働く人たちは本当に大変なのだ。ITエンジニアと言えども中身はガテン系に匹敵するほど体力仕事だったりする。そういう現場の仕事のキツさが今回のトラブルに関係していなければいいけれど。